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更新日:2024/10/17
この記事では、メディカルアロマが普通のアロマとどう違うのか、どんな効果があるのかについてわかりやすく解説しています。
また、メディカルアロマセラピストの仕事内容、必要な資格、就職先や将来性についても解説しています。
メディカルアロマとはリラクゼーションを目的としたアロマテラピーと異なり、こころやからだの不調改善、機能改善を目的とした代替医療として行われるアロマテラピーのことを言います。
主に医療現場や介護現場で導入が進んでいます。香りの癒し効果と精油の薬理効果によって、西洋医学ではフォローしきれないメンタル面のケアや体の内側から不調の軽減に働きかける効果が期待されています。
医療目的に用いるアロマを「メディカルアロマ」と呼ぶのは日本独自のものです。これは、アロマが最初に日本へ入ってきた際、リラクゼーションの目的で導入された為です。
アロマの本場イギリスでは「メディカルアロマ」という言葉はあまり使われていません。なぜなら、イギリスでは30年以上前から医療の中でアロマセラピーが行われており、アロマが補完療法として活用されるのが当たり前となっているからです。また、フランスでもアロマオイルが薬局で販売されており、西洋ではアロマ=医療というイメージが確立されています。
アロマの香りはうつ病、不眠などの精神疾患の改善に役立てられています。
脳には大脳辺縁系と呼ばれる「記憶」や「感情」など本能的な機能を司る部位があります。そして五感のなかで「嗅覚」から受けた刺激だけが大脳新皮質を通さず、大脳辺縁系にダイレクトに伝わります。その周辺には自律神経の中枢「視床下部」やホルモン分泌にかかわる「下垂体」があるため、刺激が伝わると自律神経が整えられたり、幸せホルモンと呼ばれるオキシトシンが分泌され、精神的な不調が改善されます。
咳やのどの痛みなどの呼吸器系疾患もアロマの効能で鎮めることができます。
例えばティーツリーの精油には殺菌・消毒作用があり、免疫力を高めます。ユーカリは咳を鎮め、たんを取り除く作用、ペパーミントは咳を鎮め、体に刺激を与える作用があることから風邪を引いたときの症状の緩和に役立ちます。
使い方としては、ディフューザーから噴霧して使うほかに、ホホバオイルと混ぜて胸に塗っても効果を得られます。
癌治療の現場では、抗がん剤治療による食欲不振や不快感、免疫力の低下を改善するためにメディカルアロマが用いられています。
また、癌患者が陥りがちな将来への不安や孤独感、落ち込み、不眠などの精神ケアにも役立っています。
老化に伴う認知障害の原因の一つにはアルツハイマー病があります。これは新しい記憶や見当識に関与している脳の内嗅皮質や海馬に、変質したタンパク質が蓄積することが原因とされています。
これらは大脳辺縁系に位置しており、においによる刺激を受けることで大脳辺縁系が活性化され症状が改善されると、鳥取大学の研究により明らかにされています。
参考『アルツハイマー病患者に対するアロマセラピーの有用性』日本痴呆学会誌第19巻第1号 原著論文
こころやからだの状態をカウンセリングし、相手に合った精油の選択や施術の方針を決めていきます。
個別にカルテを作成し、症状や状態の経過を記録しながらトリートメントの組立てを考えていきます。
カウンセリングをもとに、症状に合わせた精油の調合を行います。
調合した精油を用いてトリートメントを行います。全身トリートメントや手・脚といった部分トリートメント、リフレクソロジーを取り入れたものなど様々あります。
今後のプランを相談します。
また、日常生活での食事、睡眠、運動や、生活の中へのアロマの取り入れ方など、症状を改善させるためのアドバイスを行います。
施術のプランや経過報告などを医師や看護師とも話し合い、連携して仕事に当たります。
病院カンファレンスや介護カンファレンスに参加することもあります。
2022年現在、日本にメディカルアロマセラピストの国家資格はありません。あるのは民間資格のみです。そのため無資格でも病院や介護現場で代替医療としてアロマを活用している人はメディカルアロマセラピストと呼ぶことができます。
ただし、アロマには紫外線に当たると皮膚にダメージを与える「光毒性」のあるものや、女性ホルモンに影響を与えるため妊娠中には使用を控えたほうがいいものがあります。これらの「禁忌」を知らずに使用すると思わぬ不調を起こすことになりますので、資格の勉強を通して正しいアロマの知識を身に着けるのが理想的だといえます。
メディカルアロマ検定は、日本統合医学協会が主催している資格認定試験です。
メディカルアロマ検定はオンライン講座を受講し試験もオンラインで受験できる「オンライン完結」の資格です。難易度もそれほど高くなく、メディカルアロマに興味を持った人が初めて挑戦する資格としておすすめです。
精油の知識にプラスして、心理学やハーブ学などの全12科目のカリキュラムを学びます。
MAA(メディカルアロマアンチエイジング研究所)は臨床結果に基づいたアロマの「見える化」に力を入れている協会です。
そんなMAAの認定する「メディカルアロマアドバイザー」資格は人体の各器官の老化(エイジング)のメカニズムを学び、予防医学の知識を身につける講座です。
こちらもオンライン講座を受講し試験もオンラインで受験できる「オンライン完結」の資格ですので、初めてメディカルアロマに挑戦する資格としておすすめです。
IFPA(国際プロフェッショナルアロマセラピスト連盟)はアロマの本場イギリスに本部を置く世界最大のアロマ協会です。各国に支部があり、IFPAジャパンという日本支部もあります。
1年半〜2年の講座を受講したうえで試験に合格することでIFPAの正会員となることができ、IFPA認定アロマセラピストとして認定されます。
解剖生理学、病理学、精油の薬理学や化学などの専門知識や、子供から高齢者まで幅広くケアできるマッサージテクニックを学びますので、難易度は高いですが、資格を取得すればメディカルアロマセラピストとして胸を張って治療に当たることができます。
IFPA国際プロフェッショナルアロマセラピストについて詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
関連記事:『IFPA認定アロマセラピストとはどんな資格?費用や難易度について解説!』
アロマセラピストの資格は独学で取得できるものがほとんどありません。たいていはその資格を認定しているスクールの講座を受講することで受験資格が与えられます。
特にメディカルアロマは、病気や老化で体の弱っている人を相手にすることが多いため、正しい知識やスキルが必要不可欠です。そのため、独学で受験できる資格は無いと思った方がよいでしょう。
アロマスクールラヴァーレは医療法人財団「百葉の会 銀座医院」との提携し、臨床データに基づいた最新のメディカルアロマ講座の開発に取り組んでいます。
銀座・新宿・池袋・横浜・船橋に教室をもつほか、ほぼすべての講座をオンライン開講しており全国どこからでも学ぶことができます。
レッスンは朝10時から午後8時開始の最終クラスまで、ご都合の良い日時を予約して受講できる完全フリータイム制。土日・祝祭日の受講も可能と自由度が高く、仕事と両立して資格を取得したい方に通いやすくなっています。
オンライン(通信)講座も開講しており、講師と1対1でしっかり学べるので安心です。
アロマスクール ラヴァーレで開講しているメディカルアロマの講座とその費用をご紹介します。
講座 | 費用 | 詳細 |
---|---|---|
MAA認定メディカルアロマプラクティショナー講座 | 400,000円 | 【通信】 詳細を見る |
MAA認定メディカルアロマ免疫スコアアドバイザー講座 | 411,000円 | 【通学】 詳細を見る 【通信】 詳細を見る |
MAA認定メディカルアロマ腸内環境コーディネーター講座 | 397,000円 | 【通学】 詳細を見る 【通信】 詳細を見る |
MAA認定メディカルアロマホルモンアドバイザー講座 | 316,500円 | 【通学】 詳細を見る 【通信】 詳細を見る |
MAA認定メディカルアロマリンパドレナージュ講座 | 370,000円 | 【通学】 詳細を見る |
アロマスクール ラヴァーレではここで紹介した他にもアロマの講座を開講しています。気になる方は以下のボタンから講座一覧をご確認ください。無料で資料請求もできます。
アロマスクール ラヴァーレ特徴は完全フリータイム制や土日祝日も受講できる自由度の高さでしょう。そのため働きながら資格を取得したい社会人や、家事育児のスキマ時間に資格を取得したい主婦の方に向いています。
また、専門アドバイザーによる就職サポートが受けられるので、資格取得後にアロマの仕事に就きたい方にもおすすめです。
ジャパン・エコール・デ・アロマテラピーでは、アロマのほかにボディケアや解剖生理学、セラピストとしてのマナーも学べて、転職・就職・開業に強みを発揮。自宅サロンや医療・介護ボランティアなど幅広い活躍の場があります。
ジャパン・エコール・デ・アロマテラピーでは日本のアロマ資格AEAJ、メディカルアロマの国際資格IFPA、メディカルハーブ資格JAMHA、リンパドレナージの国際資格MLDが取得できます。
またジャパン・エコール・デ・アロマテラピー独自のセラピスト派遣活動「ソレイユ」を通して、在学中からセラピストとしての知識・経験・実践力を身につけることができます。
ジャパン・エコール・デ・アロマテラピーで開講しているメディカルアロマの講座とその費用をご紹介します。
ジャパン・エコール・デ・アロマテラピーではここで紹介した他にもアロマの講座を開講しています。気になる方は以下のボタンから講座一覧をご確認ください。無料で資料請求もできます。
ジャパン・エコール・デ・アロマテラピー(通信)の資料請求(無料)
ジャパン・エコール・デ・アロマテラピーで開講しているメディカルアロマの講座は、世界最高峰のアロマ協会IFPAが認定する国際資格「IFPA協会認定メディカルアロマセラピスト」が取得できるものです。
そのため、海外でアロマの仕事をしたい方や独立・開業して自分のお店を持ちたいなどにおすすめです。
皮膚科ではアロマテラピーを用いて、帯状疱疹に伴う痛みの緩和や、アロマトリートメントによって血流をよくすることでむくみの改善などに役立てています。
また内科でも、精油の殺菌・消毒作用によって咳止めなどの呼吸器系の疾患や、胃腸の不調を整えるのにアロマを活用しています。
▽神奈川県内 美容皮膚科・形成外科・皮膚科アレルギー科クリニック
仕事内容 | 美容皮膚科・形成外科・皮膚科アレルギー科クリニックでの看護師業務です。 |
給与 | 時給 \1,700〜\2,200 |
就業時間 | 08:30〜17:30 休憩:60分 |
休日 | 週休二日制(水日) その他:年末年始・夏季 |
必要な免許・資格 | 看護師 (必須) |
必要な経験等 | アロマセラピーの施術経験が3年以上ある方 |
歯科の分野では「デンタルアロマセラピー」というものがあるほど、アロマが浸透しています。歯科医院にアロマを導入することで、精油の香りで治療前の緊張感を和らげたり、鼻の通りをよくすることで歯の型取りをスムーズに行えるなどの効果を発揮している例もあります。
また、免疫力をアップさせることで歯周病などの予防にも繋がります。
▽東京都内 デンタルクリニック
仕事内容 | ・予約、電話対応 ・会計 ・カウンセリング ・診療説明 ・器具の準備、片付け ・診療補助 ・院内清掃など |
給与 | 月給23万円〜27万円 |
就業時間 | 平日:9:00〜19:30(休憩90分) 土日:9:00〜17:30(休憩60分) |
休日 | 週休二日制(木日) その他:G.W、夏期休業、年末年始 |
必要な免許・資格 | なし |
必要な経験等 | 歯科助手経験者優遇 |
妊娠中になるべく薬を使わずに、マタニティーブルーの軽減や身体のむくみを解消したい方にメディカルアロマが注目されています。
また、レディースクリニックでも不妊治療、月経不順、更年期障害などで通院する患者さんのストレスケアにアロマが導入されています。
▽大阪府内 産婦人科クリニック
仕事内容 | 産婦人科に併設のサロンでトータルエステの施術 |
給与 | 月給22万円〜24万円 |
就業時間 | 9:00~17:00(休憩60分) |
休日 | 週休2日制(シフト制) |
必要な免許・資格 | なし |
必要な経験等 | エステサロン等での経験者優遇 |
鍼灸院や接骨院では、表面的な筋肉のこりをほぐすだけでなく、姿勢や日常生活など不調の原因を改善していく治療をします。その一環として、自律神経を整えたり免疫力のアップさせるためアロマの力を活用している医院もあります。
メディカルアロマについて学ぶ講座には解剖学や生理学を学ぶものが多くあり、鍼灸や接骨とも通ずるところがあることがわかります。
▽東京都内 リラクゼーションサロン・整体院
仕事内容 | 施術を中心としたサロン内業務全般 アロママッサージ,オイルマッサージ,アロマセラピスト,ボディケア,デトックス,美容鍼灸 |
給与 | 月給23万円〜28万円 + 歩合 |
就業時間 | 平日:10:00〜22:00(休憩60分) 土日祝:10:00〜20:00(休憩60分) |
休日 | 月7〜8日休み(シフト制) |
必要な免許・資格 | なし |
必要な経験等 | なし |
介護の現場では腰や手足に痛みがある方の痛みを軽減するためにアロマトリートメントを行う施設があります。また、夜眠れない、うつ状態にある方へのケアや食欲の増進など、メンタルケアとしても注目されています。
アロマの匂いが認知症の予防になるという研究もあり、今後ますます介護業界への導入が進むでしょう。
▽長野県内 通所リハビリテ−ション施設
仕事内容 | アロマセラピーの施術 アロマ施術以外の時間帯は、介護補助(食事の配下膳業務や見守り、シーツ交換等) |
給与 | 時給1,200円〜1,250円 |
就業時間 | 9時00分〜15時00分又は9時00分〜16時00分の時間の間の6時間程度 |
休日 | 土曜日、日曜日、祝日、その他 |
必要な免許・資格 | アロマセラピスト資格:必須 普通自動車運転免許:必須(AT限定可) |
必要な経験等 | 介護施設での勤務経験者歓迎 |
アロマサロンの中でも、メディカルアロマセラピーに特化したメディカルアロマサロンというものがあります。
フランスで実際に病院で使われているものと同じ精油を使っていたり、病院と提携しているなどの特徴があり、疾患を持っている方でも安心してアロマセラピーを受けられる環境が整っています。
▽東京都内 メディカルエステサロン
仕事内容 | オールハンドのマッサージから、医療機関専売のラフォス(ラジオ波)を使用した痩身治療、脂肪吸引後の拘縮や痛み緩和のためのラフォス、各種フェイシャルトリートメントなど |
給与 | 月給22万円〜28万円 |
就業時間 | 9:30〜19:00(休憩60分) |
休日 | 完全週休二日制 |
必要な免許・資格 | なし 未経験でも安心の充実の教育体制 |
必要な経験等 | 経験者優遇 |
研究によって、最近ではアロマが脳に働きかけるしくみや肌へ浸透するしくみなどが科学的に解明されつつあります。
そのため日本でも、西洋医学を補完する代替医療として、メディカルアロマは徐々に活用されはじめています。
科学的にそのしくみが解明されることで、今までアロマの効果に懐疑的だった人も安心してアロマの施術を受けることができるようになり、ますます需要が拡大していくでしょう。
現代の医療では、チーム医療や統合医療といった考え方が重要視されています。
チーム医療とは、医師や看護師だけでなく、その他の医療専門職やアロマセラピスト、ヨガインストラクターなどが連携して治療にあたる医療です。そうすることで患者の生活の質の維持・向上、患者さんの人生観を尊重した療養の実現をサポートしていくことができます。
総合医療は西洋医学だけでなく東洋医学やさまざまな代替・補完療法を組み合わせ、総合的な観点で治療を行なうことです。これによって自然治癒力を高め病気になりにくくしたり、病気の根底にある精神のケアを行い患者さんの生活の質を根本から向上させることができます。
メディカルアロマはどちらにも必要とされる存在です。
近年日本では、政府によってセルフメディケーションが推進されています。
セルフメディケーションとは、自分の健康を自分でケアし、軽度な身体の不調は自分で手当てすることです。高齢化や生活習慣病の増加が問題になっている昨今、自分自身で健康を管理・維持し、受診の手間や費用を押さえることで国民医療費の抑制にもつながることが期待されています。
こうした病気の予防や不調のケアにもアロマを活用することができます。精油には自然治癒力を高めて病気を予防する効果や、「メディカルアロマの効果は?」で紹介したような疾患を改善する効果があります。
アロマは個人でも実践できるので予防医学やセルフメディケーションにも有用です。
メディカルアロマは西洋医学の代替療法として用いられるアロマテラピーのことで、徐々に医療や介護の現場に導入されています。
鬱や不眠などの精神疾患や呼吸器系疾患、認知症などにも効果があり、そのしくみが科学的に解明されつつあります。
メディカルアロマは、近年の総合医療の考え方やセルフメディケーションにも活用できるので、今後ますます需要が高まるでしょう。
アロマに興味がある、自分のケアに役立てたいという方は、まずは初心者向けの資格から挑戦してみましょう。2週間〜1ヶ月程度で取得できる資格もあります。
関連記事:『アロマテラピー資格の種類は?最短取得期間なども紹介!』
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